漆器 松田権六 蒔絵槇柏文手箱

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漆器 松田権六 蒔絵槇柏文手箱

漆芸の極みです。
卓越した技術による、芸術品。
漆芸家として最高峰と評された、国指定重要無形文化財保持者(人間国宝)の松田権六(1896 – 1986)の作品です。
「蒔絵槇柏文手箱」と名付けられた、箱作品。槇柏文(しんぱくもん)は、まきとかしわの模様で、箱の手前が槇で、横が柏です。

黒の漆に金の蒔絵が実に美しく効果的に施されています。
本作品は、1955年作。この年に、松田権六は「蒔絵(まきえ)」の技法で、国指定重要無形文化財保持者、人間国宝に認定されています。蒔絵で人間国宝に認定された最初の人物です。

蒔絵は日本独自に発達した漆芸の代表的な技法で1200年ほど前から行われています。漆器の表面に漆で絵や文様、文字などを描き、それが乾かないうちに金や銀などの金属粉を「蒔く」ことで器面に定着させます。金銀の薄板を定着させる「平文(ひょうもん)または、平脱(へいだつ)」や漆器表面に溝を彫って金銀箔を埋め込む「沈金(ちんきん)」、夜光貝、アワビ貝などを文様の形に切り透かしたものを貼ったり埋め込んだりする「螺鈿(らでん)」などと共に、漆器の代表的加飾技法の一つです。

松田権六は、石川県金沢市生まれ。7歳で加賀蒔絵の修業を始めます。石川県立工業学校漆工科、東京美術学校漆工科を経て1943年(昭和17年) 東京美術学校教授に就任、以後36年間そこで教鞭を取ります。1947年(昭和22年)日本芸術院会員となり、1955年(昭和30年)には人間国宝に認定されます。

古代漆芸の研究を深め、伝統をふまえた漆技に近代的な手法をも加味した独自の境地を開きました。また、伝統工芸の復興に力を尽くす一方で並木製作所の蒔絵万年筆(ダンヒル・ナミキ)の製作指導といった新しい蒔絵の模索も行っています。1965年著書『うるしの話』で毎日出版文化賞受賞。1976年に文化勲章受章。漆工芸史に名を残す名匠として、「漆聖」とも称えられています。

漆器 松田権六 蒔絵槇柏文手箱

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[出典]塩哲の空即是色
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