漆器 室瀬和美 平棗 天台烏薬

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漆器 室瀬和美 平棗 天台烏薬

日本の伝統工芸の粋です。
漆芸、蒔絵の重要無形文化財保持者(人間国宝)、「室瀬和美 (ムロセ カズミ) 」による、棗(なつめ)です。
棗は、茶道具の一つで、「薄茶」用の抹茶を入れる茶器を指します。形が植物のナツメと似ていることから棗と呼ばれます。
古来、中国で、不老不死の霊薬と考えられていた、薬草、天台烏薬(てんだいうやく)の花と葉をモチーフにした棗作品。

蒔絵の技法により、丁寧に緻密に装飾を仕上げています。
花の部分にアクセント的に真珠貝を用いており、その光沢が作品にスパイスを与えています。

蒔絵は日本独自に発達した漆芸の代表的な技法で、発祥は1200年ほど前と言われています。器の表面に細い筆を使って漆で絵を描き、その漆が固まらないうちに上から金の粉を蒔きつけて模様をあらわします。蒔いて絵にするという意味から蒔絵といいます。研出蒔絵、平蒔絵、高蒔絵などの作り方があります。

室瀬和美が得意とするのは、「研出蒔絵」という技法。
漆地の上に漆で文様を描き、固まらないうちに金銀粉や色乾漆粉などを蒔き付けます。漆が固まったあとに、再度漆を塗り、硬化させたあとに研ぎ、磨きを入れて、最初に描いた文様や金銀粉などを表に出していきます。研いで、模様を表出させていく技法。
何層にも金と漆を重ね、そこからどこまで研ぎ上げるかということが大切になってきますが、室瀬和美は、その研ぎの工程で図柄に立体感をもたせた作品を作り出します。

昔の蒔絵は平面的な仕上がりが一般的。こういう濃淡を出す表現は現代の感覚と言えるようです。

室瀬和美は、1950年生まれ。東京芸術大学出身。
2008年に、「蒔絵」の技法で、重要無形文化財(人間国宝)に認定されました。また同年、紫綬褒章を受章しています。
 

漆器は、漆塗りを施した器物です。
日本を始め、中国、朝鮮、タイなど、漆を産出する国で発達した東洋独特の工芸です。
高級品は美術工芸品となりますが、普通品は実用品として使われます。
製法は木材、竹、紙、布、皮、合成樹脂などを用いて作った素地 (きじ) に漆を塗りますが、高級品ほど漆塗りの回数は多くなり、制作にも多くの工程・期間が必要となります。
英語で、磁器をchinaと呼ぶのに対して、漆器はjapanと呼ばれ、欧米では日本の特産品・工芸品と考えられています。
繊細で熟練を要す技法を駆使して手作業で丹念に制作される高級漆器は、芸術的価値も高く、日本を代表する高級工芸品として広く知られています。

漆器 室瀬和美 平棗 天台烏薬

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[出典]Onishi Gallery


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