ファベルジェの卵 巡洋艦アゾフ号 1891
ファベルジェの卵 巡洋艦アゾフ号 1891
( Fabergé Imperial Eggs Memory of Azov 1891 )
ファベルジェの卵シリーズです。
ファベルジェの卵は、ロシアを代表する貴金属工芸の名作シリーズ。
ロシア王室ご用達であった、宝飾・金細工師、ピーター・カール・ファベルジェ (Peter Carl Fabergé) による、ロシア王室の為に制作したイースター・エッグです。
今回のエッグは、1891年制作の「巡洋艦アゾフ号 ( Memory of Azov ) 」。
エッグは、ブラッドストーンとも呼ばれるヘリオトロープ碧玉の個体片をベースに彫刻が施されており、ゴールドを重ねあわせたロココ調の渦巻き模様、綺羅びやかなダイヤモンド、ゴールドの花びらなどを、ルイ15世スタイルで、装飾しています。
ドロップ形状のルビーと2つのダイヤモンド、幅広いゴールドのバゼルにより留め金が作られています。
エッグの内側は緑色のベルベットで内張りされています。
エッグの、”驚き”は、ニコライII世が世界一周航海をした時の巡洋艦”Azova”号の精工・精密なミニチュア模型。ミニチュア模型が仕掛けとして現れます。
ゴールドとプラチナのピースに、ダイヤモンドによるミニチュア模型。水面は、アクアマリンです。
また、模型は、卵から分離可能で、ゴールドによるフレームのプレートが下面に付けられています。
本作品の現在の所有者は、モスクワのクレムリン博物館です。
ピーター・カール・ファベルジェ (Peter Carl Fabergé) とは19世紀末から20世紀初頭にかけてロシア王室ご用達となった宝石商・金細工師です。
インペリアル・イースター・エッグでよく知られています。
ファベルジェがロシア王室の注文を受けて製作された数多くの宝飾品や飾り物、文房具、時計等、膨大な工芸品が残されています。ロマノフ家のアレクサンドルIII世とニコライII世の注文でそれぞれの皇后と母后のために製作されたインペリアル・イースター・エッグと呼ばれる作品群はその独創性に溢れる美しさと、精緻を凝らした仕掛けとで歴史上屈指の工芸美術品として名高いものです。
ファベルジェの卵とも言われます。
1885年から1917年の間に58個作成されたとされますが、数については異説もあります。
現存が確認されず、行方不明となっているものも多くあります。
[出典]Apollo Magazine