エミール・ガレ 花瓶 フランスの薔薇

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エミール・ガレ 花瓶 フランスの薔薇

エミール・ガレ 花瓶 フランスの薔薇

テレビ東京の「美の巨人たち」でも紹介された、エミール・ガレによる、「フランスの薔薇」です。
高さ43センチの花器です。
小さな蕾が飾られた脚台の上には、ピンクや青のグラデーションが光り輝き、妖艶な美しさを放っています。
正面で圧倒的な存在感を示すのが、うなだれたバラ。うなだれた姿に、普仏戦争でドイツ領になったロレーヌ地方への帰らぬ祖国の思いを表したものらしいです。

シャルル・マルタン・エミール・ガレ(1846年5月4日 – 1904年9月23日)は、アールヌーヴォーを代表するフランスのガラス工芸家です。また陶器や家具などのデザイン・アートディレクターも手掛け、父親から継いだガラス工芸・陶器・家具工場の「ガレ社」を経営する企業経営者でもありました。

ガラスの花瓶や壺、鉢や杯といった限られた空間の中で、大自然の風物と生命の営みをアールヌーヴォーに代表される装飾美と共に詩情豊かに謳い上げた作風が広く知られ、その作品の芸術性の高さは、その後のガラス工芸に及ぼした影響も大きく、今日も世界的に大きく評価されています。

また、工芸の改革者であると同時に詩や音楽に親しみ、植物の栽培や採集を通じて自然を学び、その謎を問い続けた植物学者でもありました。祖国への愛と社会正義の理想を胸に、花々や生き物たちの命の輝きとその神秘を作品に刻み続けたガレ。
一方で、アールヌーヴォー隆盛以前に持てはやされたジャポニズムや異国趣味、歴史主義などに則った作品も作り続け、新しもの好みの顧客も古いもの好みの顧客も両方大事にする経営者としてのバランスもとれた人物と言えます。

エミール・ガレ 花瓶 フランスの薔薇

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エミール・ガレ 花瓶 フランスの薔薇

[出典]Wikimedia Commons


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