七宝焼 並河靖之 花鳥文花瓶

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七宝焼 並河靖之 花鳥文花瓶

七宝焼 並河靖之 花鳥文花瓶

明治〜大正時代にかけての日本の工芸作品の傑作です。
主に金属工芸で用いられる、伝統工芸技法の「七宝焼」による花瓶作品。
明治時代の日本を代表する七宝家であり、七宝焼の世界では非常に高名な、並河靖之(なみかわ やすゆき、1845〜1927)による作品です。
高貴で威厳に溢れる芸術品。

七宝焼とは、金、銀、銅、鉄、青銅などの金属製の下地の上に、ガラス質や鉱物質の釉薬を被せ、摂氏800度前後の高温で焼成し、融けた釉薬によってガラスやエナメルの美しい彩色を施す技法です。
七宝焼の名前の由来は、宝石を材料にして作られるためという説と、仏教において貴重とされる七種の宝を指す七宝ほどに美しい焼き物であるとしてつけられたという説があります。
七宝焼の歴史は非常に古く、起源は、紀元前の中近東で生まれたものと言われています。これがヨーロッパからシルクロードを通り、中国を経て日本に伝わったと言われています。

並河靖之は、日本を代表する七宝家の一人で、京都を中心に活躍しました。
特徴は、有線七宝技法。並河靖之は、有線七宝にこだわり、この技法を極めたと言えます。
有線七宝とは、図柄の輪郭線に沿って細い線状の金属を文様の輪郭線に用い、その中に釉薬を挿し焼成するやり方で、金属線が繊細な図柄を引き立たせます。帯状の銀線を立て、色の境目を区切り、図柄の輪郭を表現します。

また、他の特徴として、作品の色彩の豊かさと色彩の透明感が挙げられます。
七宝焼の美しい色彩を司る釉薬は、それぞれの鉱物を焼成した際の化学変化から作られます。並河靖之は鉱物の分量や配合の割合、焼成する際の時間や温度について気の遠くなるような試行錯誤を重ねて、多くの色彩や色彩のグラデーションを作り上げました。
中でも、特に有名なのが、黒色透明釉です。黒色透明釉の発明により、それまでの七宝作品では存在しなった透明感のある深い黒が出せるようになり、並河靖之の作品でも背景色として良く使われて、色鮮やかで精緻な図柄を際立たせています。
今回ご紹介している花瓶作品も黒色透明釉によるものです。

明治期の日本の七宝作品は、その精緻さと質の高さから、当時から世界の七宝作品の歴史の中でも最高の到達点に達したと評価されてました。その中でも特に並河靖之の作品は高名で、欧米の美術館や富豪に、非常に高値で買い取られました。この花瓶作品もそうしたものの一つ。現在は、ロサンゼルスのカウンティ美術館収蔵品となっています。

並河靖之に代表される明治期の高級な七宝作品は、1つの作品を作るのに1年かかることもあり、非常に手間暇をかけられたものであり、作品としての質も極めて高い芸術品でした。
このため制作にかかる時間とコストが嵩み、他の日本の伝統工芸品と同じく、日本の工業化が進展するにつれ外貨獲得の手段としての役目が終わると、様々な社会の変化もあり急速に廃れていきました。
特に並河靖之の技巧は並外れていた為、1代限りで失われる事となりました。

七宝焼 並河靖之 花鳥文花瓶

七宝焼 並河靖之 花鳥文花瓶

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七宝焼 並河靖之 花鳥文花瓶

[出典]ウィキペディア


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