イサム・ノグチ AKARI 45A

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イサム・ノグチ AKARI 45A

( Isamu Noguchi Akari 45A )

和紙の球が、細いコードの先で静かに光ります。竹のリブが薄い影の線となり、輪郭は硬くなく、部屋の空気を丸く包みます。

日系アメリカ人の彫刻家・デザイナー、イサム・ノグチが 1951年以降に手がけた光のシリーズ「AKARI」の一台です。岐阜の提灯の技術を背景に、和紙と竹の骨組みでつくられる灯具で、45A は直径およそ 45 cm の吊り下げ用の球体として知られています。今も岐阜での手づくりが続き、正規の流通で入手できます。

点灯した AKARI 45A

かたちは、ほぼ球体に近い印象です。床置きの縦長モデル(たとえば 10A)が「柱」だとすれば、45A は天井から降りる「月」に近い存在です。上端では細いコードが球へ入り、黒い留め具がわずかに顔を出します。装飾の紋様はなく、光を通す紙と、それを支える竹の線が造形の中心になります。

点灯すると、紙の繊維をとおして光が拡散します。リブの影は平面ではなく、球の曲面に沿って薄く回ります。光源そのものは見えにくく、球全体がやわらかい輝度を持ちます。消灯時は白い体積、点灯時は光そのもの。どちらの状態でも、輪郭の丸さは保たれます。

ダイニング空間に吊られた AKARI 45A

卓上の小ぶりな型と比べると、45A は天井から部屋の中心を丸く取るサイズです。テーブル上の空間をひとまとまりに照らし、光の強さより、光の広がり方を選ぶ灯具です。

リビングに吊られた AKARI 45A

白い壁と木の床のなかでも、球の輪郭は主張しすぎません。同じシリーズの床置きや卓上と並べると、吊り球の「浮いている」感じがいっそうはっきりします。

複数の AKARI 球体が吊られた空間

複数を寄せて吊るすと、ひとつひとつの球が重なり、天井側にやわらかい雲のような光の塊ができます。45A 単体でも、集まっても、紙の質は変わりません。

AKARI をつくる工房の様子

製作は岐阜の工房で続きます。竹を型に沿わせて骨をつくり、和紙を貼る。型を外したあと、シェードは折り畳める構造になります。写真のなかでも、縦に走る骨と、紙を支える手の位置が、完成品の内側の線と重なって見えます。

ノグチは、電気の硬さを紙をとおしてもとの光、太陽へ戻す、と語っています。45A を前にすると、その言葉は球の内側から染み出す均質な明るさとして感じられます。

[出典]The Noguchi Museum Shop — Akari 45AVitra — Akari 45AFinnish Design Shop — Akari 45A

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