ジョージ・ジェンセン ベルナドッテ ディナースプーン
( Georg Jensen Bernadotte Dinner Spoon )
柄には、平行な溝が、すくう部分の手前から柄の端まで通っています。すくう部分は、溝のないなめらかな卵形です。
デンマークの銀器メゾン「ジョージ・ジェンセン」のカトラリー、ベルナドッテのディナースプーンです。ベルナドッテは柄の意匠(パターン)の名前で、デザインしたスウェーデンの王子、シグヴァルド・ベルナドッテ(1907〜2002)の名から来ています。公式は 1939 年のデザインと記しています。
この記事で取り上げるのは、鏡面に磨いた 18-8 ステンレスのものです。長さは 197 ミリで、食器洗浄機にも入れられます。公式には、銀のものもあります。
最初の写真で柄を見ると、白く光る線と黒く写る線が、柄の長さに沿って交互に並んでいます。
柄は、すくう部分との境目でいちばん細く絞られ、そこから手に持つ側へ向かって少しずつ太くなります。柄の端は、畝の一本一本が小さく丸く終わり、ゆるい波の形になっています。
すくう部分の磨かれた面には、白と黒の映り込みが半分ずつ入ります。
公式の 5 本組は、ディナースプーン、ディナーフォーク、ディナーナイフ、デザートスプーン、ランチフォークです。長さは違っても、柄の溝の並びはすべて同じです。
スプーンとフォークの柄は、すくう部分や歯の手前でいったん細く絞られてから、そちらへつながります。ナイフだけは、短い襟を挟んで刃へ移ります。並べると、溝の並びはそのままで、柄の太さと長さだけで道具の大きさが分かれているように見えます。
ディナーフォークは歯が 4 本で、長さは 192 ミリです。歯の付け根は肩のように広がり、そこから首が細く絞られて柄の溝へ移ります。
ディナーナイフは長さ 218 ミリで、刃と柄で鋼の種類が違います。公式によれば、柄は 18-8、刃は 13-0 のステンレスです。
刃と柄の間には、溝のない短い襟がひとつ入ります。刃の片側はまっすぐで、もう片側が先へ向かってゆるく丸まり、先端は丸く終わります。5 本組の写真では、刃の中ほどに GEORG JENSEN の小さな文字が縦に入っています。
ティースプーンは長さ 125 ミリです。いちばん小さな柄にも、ディナースプーンと同じ溝が、すくう部分の手前から柄の端まで通っています。
ジョージ・ジェンセンによれば、ベルナドッテは 1929 年にストックホルムの王立美術アカデミーで学びました。翌年、グンナール・アスプルンドが手がけたストックホルム博覧会で機能主義に触れ、その影響を自分の作風に取り入れたとあります。
公式は、このパターンを、1930 年代初めに始まった機能主義の時代のよい例だと記しています。一方で、機能主義の理想は「日用品をすべての人へ」でした。公式は、ベルナドッテがその理想とは反対に、このパターンをもともと銀だけでつくった、とも書いています。長い溝と丸みのある柄が、ベルナドッテの持ち味だとあります。
[出典]Georg Jensen — BERNADOTTE Dinner spoon/Georg Jensen — BERNADOTTE 24 pcs. set。
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